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この記事の結論
- 自己負担が2,000円で済む寄附額の上限は、年収ではなく、住民税の「所得割額」と所得税の税率で決まります。
- 目安は「所得割額 × 係数 + 2,000円」で計算できます。係数は、所得税率が10%の人で約25.1%、20%の人で約28.7%です。所得割額が25万円、所得税率が10%なら、上限の目安は約64,600円です。
- 上限を超えた分は、控除されずに自己負担になります。正確な金額は、住んでいる市区町村に問い合わせると確認できます。
こんな人向け
- ふるさと納税で、いくらまで寄附できるかを知りたい人
- 早見表やシミュレーションの金額が、自分に当てはまるか確かめたい人
向かない人
- 寄附から控除までの手続きを知りたい人(ふるさと納税のやり方をご覧ください)
- 返礼品の選び方を知りたい人(返礼品の選び方をご覧ください)
ふるさと納税の限度額は何で決まるのか
ふるさと納税は、寄附額から自己負担の2,000円を引いた金額が、所得税と住民税から控除される制度です。2,000円の自己負担は、1年間の寄附の合計に対して1回だけかかります。控除は、次の3つに分かれています。
| 控除 | 計算式 | 上限 |
|---|---|---|
| 所得税 | (寄附額 − 2,000円)× 所得税の税率 | 総所得金額等の40%まで |
| 住民税(基本分) | (寄附額 − 2,000円)× 10% | 総所得金額等の30%まで |
| 住民税(特例分) | (寄附額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税の税率) | 住民税の所得割額の2割まで |
実際に上限を決めるのは、3つ目の「特例分」です。特例分が所得割額の2割を超えると、超えた分は控除されず、自己負担が2,000円より大きくなります。所得割額は、所得に応じてかかる住民税の金額で、勤務先から受け取る「住民税決定通知書」に書かれています。
上限の目安を計算する
特例分がちょうど所得割額の2割になる寄附額を、総務省の式から逆算すると、次の目安になります。
計算式(目安)
上限の目安 = 所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税の税率 × 1.021)+ 2,000円
1.021は、所得税に復興特別所得税が上乗せされる分です。
所得税の税率ごとに、式の「20% ÷(90% − 税率 × 1.021)」を計算すると、次の係数になります。
| 所得税の税率 | 係数 | 所得割額25万円の場合 |
|---|---|---|
| 5% | 約23.6% | 約60,800円 |
| 10% | 約25.1% | 約64,600円 |
| 20% | 約28.7% | 約73,800円 |
| 23% | 約30.1% | 約77,100円 |
| 33% | 約35.5% | 約90,700円 |
計算の例です。所得割額が25万円、所得税の税率が10%の人は、250,000円 × 20% ÷(90% − 10.21%)+ 2,000円で、約64,600円が目安になります。「所得割額の20% + 2,000円」(この例では52,000円)と説明されることがありますが、この計算では上限が小さく出ます。
この目安の前提
- 計算に使う所得割額は、寄附をした年の所得で決まる、翌年度の住民税のものです。手元の通知書は前の年の所得にもとづくため、今年の収入が大きく変わる人は、目安がずれます。
- 端数は切り捨てて表示しています。上限ぎりぎりではなく、余裕を持った金額にしておくと、超えてしまうおそれが小さくなります。
- ほかの控除がある場合に上限がどう変わるかは、総務省のページに具体的な記載がありません。総務省は、収入やほかの控除の状況によって変わるため、住んでいる市区町村に問い合わせるよう案内しています。
限度額を調べる3つの方法
| 方法 | 必要なもの | 向いている人 |
|---|---|---|
| 所得割額から計算する | 住民税決定通知書、所得税の税率 | 去年と今年で、収入と家族の状況がほぼ同じ人 |
| 寄附サイトのシミュレーションを使う | 年収、家族構成、各種の控除額 | 通知書が手元にない人。結果は目安として使う |
| 市区町村に問い合わせる | 住民税の担当窓口に確認する | 収入が大きく変わった人、控除が多い人、上限に近い金額を寄附したい人 |
総務省は、例として、年収700万円の給与所得者で扶養家族が配偶者だけの場合、30,000円を寄附すると28,000円が控除されると説明しています。年収と家族構成だけで決まる早見表は、ほかの控除が反映されないため、目安として使ってください。
自己負担が2,000円で収まらないのはどんなときか
注意点
- 上限を超えて寄附したとき:超えた分は控除されず、自己負担になります。返礼品は届きますが、支払いが増えるだけです。
- 収入が減った年:退職、転職、休業などで所得が下がると、所得割額も下がり、上限が小さくなります。去年の金額で寄附すると、超えるおそれがあります。
- 年の数え方を取り違えたとき:対象になるのは、1月から12月までの寄附です。年末に申し込む場合は、その年の寄附として扱われるかを、寄附サイトの案内で確認してください。
- 控除の手続きをしなかったとき:寄附をしただけでは控除されません。ワンストップ特例の申請か、確定申告が必要です。
知っておきたい制度の変更
総務省の資料(2026年3月24日)には、令和9年の寄附分から、住民税の特例分の控除額に193万円の上限を設けると書かれています。当サイトでは資料の概要を確認した段階のため、高額の寄附を予定している人は、総務省の資料で内容を確認してください。
よくある質問
限度額は年収で決まるのではないのですか?
年収だけでは決まりません。上限を決めるのは、住民税の所得割額と所得税の税率です。同じ年収でも、家族構成やほかの控除によって、所得割額は変わります。
所得割額はどこで分かりますか?
勤務先から受け取る「住民税決定通知書」に書かれています。手元にない場合は、住んでいる市区町村に問い合わせると確認できます。
上限を超えて寄附するとどうなりますか?
超えた分は控除されず、自己負担になります。寄附そのものは有効で、返礼品も受け取れます。
住宅ローン控除や医療費控除があると、上限は変わりますか?
総務省は、収入やほかの控除の状況によって変わると説明しており、具体的な計算方法は公式ページに載っていません。該当する人は、住んでいる市区町村に問い合わせて確認してください。医療費控除などで確定申告をする人は、ワンストップ特例が使えなくなる点にも注意が必要です。
限度額が分かったら
- ふるさと納税のやり方:寄附の申し込みから、ワンストップ特例と確定申告の手続きまでの流れです。
- 返礼品の選び方:生活費が下がる返礼品の考え方です。
- 固定費の見直しガイド:スマホ料金や光回線とあわせて、見直す順番をまとめています。
出典
- 総務省「税金の控除について」(3つの控除の計算式と上限)確認日:2026年10月4日
- 総務省「ふるさと納税の概要」(年収700万円の例)確認日:2026年10月4日
- 総務省「よくある質問」(自己負担の数え方、対象期間、上限額の問い合わせ先)確認日:2026年10月4日
- 国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」確認日:2026年10月4日
- 総務省「指定基準に係る告示改正」(2026年3月24日)(特例控除額の上限)確認日:2026年10月4日
更新履歴
- 2026年10月4日:総務省と国税庁の公式ページで再確認しました。上限の目安の式を、「所得割額の20% + 2,000円」から、総務省の計算式にもとづく式に訂正しました。公式ページで確認できなかった記述(住宅ローン控除による影響の具体的な説明など)を削除し、手続きと返礼品の説明は別の記事に移しました。
- 2026年9月7日:公開しました。
上限の金額は目安です。制度と税率は変更される場合があります。寄附の前に、総務省の公式ページと、住んでいる市区町村で最新の内容を確認してください。



