iDeCoの所得控除で実際いくら戻る?会社員の年間節税額を試算

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この記事の結論

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、全額が所得控除の対象です。月2万円(年24万円)を出すと、所得税率10%の人で、所得税と住民税が1年に合わせて約48,500円減ります。
  • 手数料は、松井証券の場合で加入時に2,829円、毎月171円(年2,052円)です。2027年1月の引き落としから、毎月186円(年2,232円)になります。
  • 掛金の上限は、2026年12月分(2027年1月の引き落とし分)から上がります。企業年金のない会社員は月23,000円から62,000円です。増やすには手続きが必要で、積み立てたお金は原則60歳まで引き出せません。

数値は2026年10月時点の国税庁・厚生労働省・国民年金基金連合会・松井証券の記載です(確認日:2026年10月5日)。試算は概算で、実際の税額とは一致しません。

こんな人向け

  • 所得税と住民税を払っている会社員
  • 60歳まで使う予定のないお金を、毎月積み立てられる人
  • 2026年12月の上限引き上げで、掛金を増やすか迷っている人

向かない人

  • 所得税・住民税がかかっていない人(差し引く税金がないため、軽減はありません)
  • 生活費の予備(生活防衛資金)がまだない人
  • 60歳より前に使う予定のあるお金を積み立てようとしている人

iDeCoの所得控除で実際いくら戻る?

その年に払った掛金の全額が、所得から差し引かれます(小規模企業共済等掛金控除)。そのぶん、所得税と住民税が減ります。

控除を受けるには、掛金の証明書を、年末調整の「給与所得者の保険料控除申告書」か、確定申告書に添付または提示します。

計算式

1年に減る税金 = 年間の掛金 ×(所得税率 × 1.021 + 住民税率10%)

1.021は、復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含めるための係数です。

月の掛金(年額)所得税率5%所得税率10%所得税率20%
5,000円(6万円)約9,100円約12,100円約18,300円
10,000円(12万円)約18,100円約24,300円約36,500円
20,000円(24万円)約36,300円約48,500円約73,000円
23,000円(27.6万円)約41,700円約55,800円約84,000円
62,000円(74.4万円)約112,400円約150,400円約226,300円

月62,000円の行は、2026年12月分から上限が上がる、企業年金のない会社員などの場合です。

所得税率は、課税される所得金額(収入から各種の控除を引いた後の金額)で決まります(国税庁の速算表、2026年4月1日現在の法令)。

課税される所得金額所得税率
1,000円〜1,949,000円5%
1,950,000円〜3,299,000円10%
3,300,000円〜6,949,000円20%

試算の前提

  • 掛金を差し引く前と後で、所得税率の区分が変わらない場合の概算です。掛金が大きいと、途中で下の区分に入り、表より少なくなることがあります。
  • 住民税は所得割の税率10%(道府県民税4%、市町村民税6%)で計算しています。
  • 2027年1月1日以後の所得からは、復興特別所得税が1.1%に下がり、防衛特別所得税1%が加わります。合わせた率は2.1%で、この表の金額は変わりません。
  • 将来の税率や制度が変わると、金額も変わります。

いくらまで拠出できる?

掛金は月5,000円以上、1,000円単位で決めます。上限は、加入している年金の区分で変わります。2026年12月1日に施行される予定の改正で、上限が上がります。

加入区分2026年11月分まで2026年12月分から
自営業など(第1号)国民年金基金と合わせた額68,000円75,000円
会社員(企業年金なし)23,000円62,000円
会社員(企業年金あり)改正後は企業年金と合わせた額20,000円62,000円
公務員62,000円から共済の掛金相当額8,000円を引いた額20,000円54,000円
専業主婦(夫)(第3号)引き上げなし23,000円23,000円

新しい上限が適用されるのは、2026年12月分の掛金(2027年1月の引き落とし分)からです。

上限が上がっても、掛金は自動では増えません

  • 掛金を増やすには、掛金額を変更する手続きが必要です。
  • オンラインの手続き(e-iDeCo)の受付は、2026年12月1日〜24日です。この期間に間に合わない場合は、2027年1月分以降の掛金からの反映になります。
  • 書面による事前の受付は、2026年9月頃からの予定と案内されています。受付の状況と締め切りは金融機関(運営管理機関)ごとに違うため、口座のある金融機関で確認してください。

同じ改正で、加入できる年齢が65歳未満から70歳未満に広がります。60歳以上70歳未満で加入できるのは、国民年金の被保険者でない人のうち、次の両方に当てはまる人です。

  • iDeCoの加入者、運用指図者(掛金を出さずに運用だけを続けている人)、企業年金からiDeCoに資産を移す人のいずれかである
  • 老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っておらず、マッチング拠出(企業型の年金に自分で掛金を上乗せすること)をしていない

施行日から3年を経過する日までは、1つ目に当てはまらない60歳以上70歳未満の人も加入できます。

手数料はいくらかかる?

加入するときに2,829円がかかります(1回だけ。2027年1月以降も変わりません)。そのほかに、毎月の手数料があります。国民年金基金連合会の手数料は、2027年1月26日の口座引き落とし分の掛金から変わります。

毎月の手数料の支払い先2026年12月の引き落としまで2027年1月の引き落としから
国民年金基金連合会2026年12月までは掛金を出す月だけ。2027年1月からは毎月105円120円
信託銀行66円66円
金融機関(松井証券の場合)0円0円
合計(月)171円186円
合計(年)2,052円2,232円

手数料を引いた後の金額(月2万円、所得税率10%の場合)

2026年:約48,500円 − 2,052円 = 約46,500円

2027年以降:約48,500円 − 2,232円 = 約46,300円

加入した年は、ここからさらに2,829円を引きます。

信託銀行の66円は、2026年10月時点の松井証券の記載です。2027年1月以降の変更は告知されていません。

松井証券では、このほかに、給付を受けるとき440円、掛金の還付があるとき1,488円、他社へ移すとき4,400円の手数料がかかります(2026年10月時点)。

何歳から受け取れる?

受け取りを始められる年齢は、加入していた期間(通算加入者等期間)で決まります。受け取りの開始は、75歳になるまでの間で選べます。

通算加入者等期間受け取りを始められる年齢
10年以上60歳
8年以上10年未満61歳
6年以上8年未満62歳
4年以上6年未満63歳
2年以上4年未満64歳
1か月以上2年未満65歳

原則60歳まで引き出せません

  • 期間が10年に満たない場合は、受け取りを始められる年齢が60歳より後になります。
  • 途中で使う可能性のあるお金は、iDeCoに入れないでください。

受け取るときに税金はかかる?

掛金を出すときに税金が減るぶん、受け取るときには課税の対象になります。iDeCoの老齢給付金を一時金でまとめて受け取る場合は、退職所得とみなされ、退職所得控除を差し引いて計算します。

退職所得の金額(原則)

(受け取る金額 − 退職所得控除額)× 1/2

退職所得控除額(国税庁、2026年4月1日現在の法令)

年数が20年以下:40万円 × 年数(80万円に満たない場合は80万円)

年数が20年超:800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年)

例:30年の場合は、800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円

iDeCoの一時金では、この年数に加入者期間を使います。

会社の退職金も受け取る人は、受け取る時期で控除額が変わります

  • iDeCoの一時金を受け取る年の「前年以前19年内」に退職金を受け取っている場合、退職所得控除額が調整されます。
  • 退職金を受け取る年の「前年以前9年内」にiDeCoの一時金を受け取っている場合も、調整されます(2026年1月1日以後に受け取った一時金が対象)。

年金の形で分けて受け取る場合は、公的年金等の雑所得として、別の方法で計算します。一時金と年金の計算の違い、退職金との順序は、iDeCoの受け取り方にまとめています。

節税のメリットがない人はいる?

所得控除は、自分の所得から掛金を差し引く仕組みです。所得税・住民税がかかっていない人は、差し引く税金がないため、軽減はありません。その場合も、毎月の手数料はかかります。

申し込み先

金融機関に払う手数料(運営管理手数料)を0円にしたい人

松井証券のiDeCo

向かない人:所得税・住民税がかかっていない人。60歳より前に使う予定のあるお金を積み立てようとしている人。

松井証券のiDeCoの資料を請求する

リンク先:松井証券の公式サイト(iDeCoの案内ページ)。運営管理手数料は0円、商品は40種類と表示されています(2026年10月5日確認)。国民年金基金連合会と信託銀行の手数料は、どの金融機関でもかかります。

ほかの金融機関も比べたい人(広告リンクではありません)

よくある質問

2026年12月に上限が上がると、掛金は自動で増えますか?

増えません。掛金額を変更する手続きが必要です。オンラインの手続き(e-iDeCo)は2026年12月1日〜24日に受け付けられ、間に合わない場合は2027年1月分以降の掛金からの反映になります。

上限まで出したほうがいいですか?

掛金が大きいほど税金は減りますが、積み立てたお金は原則60歳まで引き出せません。生活費の予備を確保したうえで、余裕のある範囲にとどめてください。

専業主婦(夫)もiDeCoで税金が減りますか?

上限は月23,000円で、2026年12月の改正でも変わりません。自分に所得税・住民税がかかっていない場合は、所得控除による軽減はありません。

手数料はいつから変わりますか?

国民年金基金連合会の手数料が、2027年1月26日の口座引き落とし分の掛金から、105円(掛金を出す月)から月額120円になります。

何歳まで受け取りを遅らせられますか?

受け取りの開始は、75歳になるまでの間で選べます。

家計診断では、iDeCoを含めて、見直しの余地が大きい順に確認できます。診断の中のiDeCoの試算は、選んだ掛金と、年収から概算した税率で計算するため、この記事の表とは前提が違う場合があります。

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出典

更新履歴

  • 2026年10月6日:受け取りを始められる年齢の表に「1か月以上2年未満は65歳」を追加しました。受け取るときの税金について、くわしい記事へのリンクを追加しました。
  • 2026年10月5日:公式サイトと広告リンクの遷移先を確認し、全体を書き直しました。2027年1月からの手数料の変更、上限の引き上げが適用される月と手続き、専業主婦(夫)の上限が変わらないことを追記しました。「いま加入しておけば、そのまま引き上げに乗れる」という記述は、手続きが必要なため削除しました。

本記事は、官公庁と金融機関の公式サイトの情報と、それにもとづく試算で構成しています。試算は一定の前提を置いた概算で、実際の税額や将来の結果を保証するものではありません。税制と制度は変わることがあります。加入や掛金の変更の前に、公式サイトと口座のある金融機関で最新の内容を確認してください。