この記事の要点
- 受け取る順序で、遡ってチェックされる年数が変わります。会社の退職金が先でiDeCo一時金が後なら前年以前19年内、iDeCo一時金が先で退職金が後なら前年以前9年内です(国税庁 No.2732)。
- 令和7年度税制改正で見直されたのは「60歳でiDeCoを一時金、65歳で退職金」という定番の段取りです。遡り期間が4年内から9年内に延びたため、必要な間隔は5年から10年になりました。ただし適用されるのはiDeCoの老齢一時金とその後の退職手当等が、いずれも令和8年(2026年)1月1日以後に支払を受けるもので、令和7年12月31日までにiDeCo一時金を受け取り済みなら従来どおり4年内(5年)で判定されます。
- 一時金の退職所得控除額は拠出20年で800万円(40万円×20年)。iDeCoで勤続年数として数えるのは掛金を拠出した期間で、運用指図者だった期間は含まれません(所得税法施行令第69条第1項第2号)。
- 年金で受け取ると公的年金等控除の対象ですが、老齢基礎年金・老齢厚生年金と合算して計算されます。控除の最低額は65歳未満60万円・65歳以上110万円(公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合)。
- 年金受け取りは受け取り1回ごとに給付事務手数料440円(各社共通・2026年9月時点)。年6回×20年なら120回で52,800円かかります。一時金なら440円が1回だけです。
最終更新:2026年9月10日 / 記事の作成・確認:Asset Lab 編集部(出典は記事末尾に記載)
結論
iDeCoの受け取り方を決めるとき、最初に見るべきは「一時金か年金か」ではありません。会社の退職金をいつ、いくら受け取るかです。退職所得控除の枠は会社の退職金と共有で、どちらを先に受け取るかによって、重複期間を調べるために遡る年数が19年内と9年内に変わります。
そして令和7年度税制改正で、「60歳でiDeCoを一時金で受け取り、65歳で退職金を受け取る」という定番の段取りが、これから受け取る人には通用しなくなりました。従来は5年空ければ調整を避けられましたが、10年必要になったからです。この記事では、そのうえで一時金・年金・併用をどう選ぶかを整理します。

控除枠は、iDeCoのために別に用意されているわけではありません
「iDeCoは受け取るときも控除があるから非課税」という説明を見かけます。正確ではありません。退職所得控除は会社の退職金と、公的年金等控除は老齢基礎年金・老齢厚生年金と、それぞれ枠を分け合う関係にあります。
控除枠が退職金で埋まっていれば、iDeCoの一時金は控除を使えず課税対象になります(ただし退職所得は原則として控除後の額の2分の1が課税対象で、他の所得とは分離して課税されます)。iDeCoは受け取り時まで無条件に非課税な制度ではありません。掛金の全額所得控除と運用益非課税というメリットとは別に、出口をどう設計するかで手取りが変わります。この記事が扱うのは、その枠の取り合いをどう整理するかです。
iDeCoはいつから、どんな形で受け取れる?
老齢給付金の受け取り方は3つです。それぞれ所得の種類が違い、使える控除も変わります。
| 受け取り方 | 所得の種類 | 使える控除 |
|---|---|---|
| 一時金(一括で受け取る) | 退職所得 | 退職所得控除 |
| 年金(分割で受け取る) | 雑所得(公的年金等) | 公的年金等控除 |
| 併用(一部を一時金、残りを年金) | 退職所得+雑所得 | 両方 |
併用ができるかどうかは運営管理機関によって異なります(iDeCo公式)。出口の選択肢を残したいなら、口座を開く時点で確認しておく項目です。
受け取りを始められるのは60歳到達後から75歳になるまでの間です。ただし60歳から受け取れるのは通算加入者等期間が10年以上ある場合で、足りないと受給開始年齢が繰り下がります。
| 通算加入者等期間 | 受給を開始できる年齢 |
|---|---|
| 10年以上 | 60歳 |
| 8年以上10年未満 | 61歳 |
| 6年以上8年未満 | 62歳 |
| 4年以上6年未満 | 63歳 |
| 2年以上4年未満 | 64歳 |
| 1月以上2年未満 | 65歳 |
50歳を過ぎてから加入した場合、60歳では受け取れません。年金として受け取る場合の受給期間は5年以上20年以下で、運営管理機関によっては終身年金も選べます(いずれもiDeCo公式・2026年9月時点)。
一時金で受け取ると、税金はどう計算される?
iDeCoの一時金は、所得税法上退職手当等とみなされます(所得税法施行令第72条第3項第7号)。計算式は会社の退職金と同じです。
退職所得の金額 =(収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2
控除額を引いたうえで、さらに2分の1になります。ここが退職所得の税制上とくに有利な点です。控除額は次のとおりです。
| 勤続年数(A) | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × A(80万円に満たない場合には80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(A − 20年) |
iDeCoで「勤続年数」として数えるのは、掛金を拠出した期間です。加入者期間が基準になるため、掛金を出さずに運用だけしていた運用指図者の期間は含まれません(所得税法施行令第69条第1項第2号)。1年未満の端数は1年に切り上げます(同条第2項)。転職時に企業型DCから移換していれば、その期間も通算されます。
試算:会社の退職金がない場合
40歳から60歳まで20年拠出し、資産が600万円になったとします。退職所得控除額は 40万円 × 20年 = 800万円。600万円は控除額に収まるので、退職所得は0円、税金はかかりません。自営業・フリーランスのように会社の退職金がない人は、一時金でこの枠を丸ごと使えます。
なお、勤続年数(iDeCoの場合は掛金を拠出した期間。1年未満は切り上げ、前年以前に退職手当等がある場合は通算後)が5年以下だと短期退職手当等に当たり、控除額を超える部分のうち300万円を超える部分には2分の1計算が使えません(国税庁 No.1420)。50代後半から短期間だけ加入した人は、この点も確認が要ります。
「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと、控除は適用されません
退職所得控除の適用を受けるには、支払者に「退職所得の受給に関する申告書」を提出する必要があります。提出しないと控除が適用されず、収入金額に一律20.42%が源泉徴収されます(確定申告で精算はできます)。会社の退職金とiDeCoの一時金は支払者が別なので、それぞれに提出が必要です(国税庁 No.2732)。
年金で受け取ると、税金はどう計算される?
iDeCoを年金形式で受け取ると、雑所得のうち公的年金等に該当します。国税庁の「源泉徴収のあらまし」は、公的年金等の範囲に「確定拠出年金法に基づいて企業型年金規約又は個人型年金規約により老齢給付金として支給される年金」を明記しています。
つまり老齢基礎年金・老齢厚生年金と合算されたうえで、公的年金等控除が計算されます。iDeCo専用の枠があるわけではありません。控除額の最低ラインは次のとおりです(公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合)。
| 年齢 | 公的年金等の収入金額 | 公的年金等控除額 |
|---|---|---|
| 65歳未満 | 130万円以下 | 60万円 |
| 65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 |
ここから見えてくるのが、60歳から公的年金の受け取りが始まるまでの期間です。この間は公的年金等控除の枠が空いているので、iDeCoの年金だけでその枠を使えます。公的年金の受け取り開始を繰り下げれば、この空き期間はさらに延ばせます。繰下げによる増額率は1か月あたり0.7%で、75歳まで繰り下げると84%の増額です(日本年金機構・昭和27年4月2日以降生まれの場合)。
年金受け取りで見落とされやすい2つのコスト
1つめは給付事務手数料です。受け取り1回ごとに440円かかります(各社共通・税込・2026年9月時点。支払先の表記は運営管理機関によって信託銀行または国民年金基金連合会と分かれます)。回数が増えるほど効いてきます。
| 受け取り方 | 給付回数 | 給付事務手数料の合計 |
|---|---|---|
| 一時金(一括) | 1回 | 440円 |
| 年金・年1回 × 10年 | 10回 | 4,400円 |
| 年金・年6回 × 20年 | 120回 | 52,800円 |
加えて、受け取りを始めるまでのあいだも口座管理手数料がかかります。掛金の拠出をやめて運用指図者になった場合、信託銀行分の月66円は続けて発生します(運営管理手数料は金融機関により異なり、松井証券は0円)。
2つめは社会保険料です。公的年金等の雑所得は、国民健康保険料(税)の所得割を計算するときの所得に含まれます。一方、一時金で受け取った退職所得は算定に含まれません(宍粟市の公表資料に明記。墨田区が公表している賦課基準額の内訳にも退職所得は挙がっていません)。65歳以降の国民健康保険料・介護保険料は年金収入で決まるため、年金受け取りは税金だけでなく保険料も押し上げます。算定方法は自治体ごとに異なるので、お住まいの自治体の公表資料で確認してください。
受け取る順序で、遡る年数が変わる
ここが本題です。退職所得控除の枠は会社の退職金と共有で、どちらを先に受け取るかによって、重複期間を調べるために遡る年数が変わります(国税庁 No.2732)。
| 受け取る順序 | 遡ってチェックされる期間 | 改正の有無 |
|---|---|---|
| 会社の退職金が先 → iDeCo一時金が後 | 前年以前19年内に受け取った退職手当等 | 変更なし |
| iDeCo一時金が先 → 会社の退職金が後 | 前年以前9年内に受け取ったiDeCo老齢一時金 | 令和7年度税制改正で4年内から延長 |
重複期間があると、その年数で計算した控除額相当額が差し引かれます。たとえば重複が20年なら、40万円×20年=800万円が控除枠から減ります。重複期間の1年未満の端数は切り捨てです(国税庁 No.2735)。
「5年空ければ大丈夫」という説明を見かけますが、いつ受け取ったかによります
改正前は「前年以前4年内」だったので、iDeCoを60歳で受け取り、65歳で退職金を受け取れば調整を避けられました。改正後は「前年以前9年内」なので、10年空けないと同じことができません。60歳でiDeCoを受け取るなら、退職金は70歳以降ということになります。
ただし、いつ受け取ったかで扱いが分かれます。この改正が適用されるのは、令和8年(2026年)1月1日以後に支払を受けたiDeCoの老齢一時金であって、かつ同日以後に支払を受けるべき退職手当等についてです(財務省「令和7年度税制改正の大綱」、国税庁 No.2732)。令和7年(2025年)12月31日までにiDeCoの一時金を受け取り済みの人は、従来どおり「前年以前4年内」で判定されます。
改正で手取りはいくら変わる?
前提を置いて試算します。令和8年(2026年)1月1日以後にiDeCoの一時金を受け取り、その後に退職金を受け取るケースです。勤続38年で65歳に退職金1,500万円。iDeCoは40歳から60歳までの20年拠出し、60歳のときに一時金600万円を受け取ったとします。
| 改正前(前年以前4年内) | 改正後(前年以前9年内) | |
|---|---|---|
| 60歳・iDeCo一時金600万円 | 控除800万円 → 課税なし | 控除800万円 → 課税なし |
| 65歳・退職金1,500万円の控除額 | 2,060万円(調整なし) | 2,060万円 − 800万円 = 1,260万円 |
| 退職所得 | 0円 | (1,500 − 1,260)× 1/2 = 120万円 |
| 所得税・住民税 | 0円 | 約18.1万円 |
勤続38年の控除額は 800万円+70万円×18年=2,060万円。改正後は60歳のiDeCo一時金が「前年以前9年内」に入るため、iDeCo拠出期間と勤続期間の重複20年分(40万円×20年=800万円)が差し引かれます。所得税は120万円×5%×1.021=61,260円、住民税は120万円×10%=120,000円で、合計181,260円。同じ段取りでも、受け取る年が令和8年以後かどうかで約18万円変わります。
逆方向も見ておきます。退職金を先に受け取ってからiDeCoを一時金で受け取る場合、遡る期間は19年内です。19年は現実的にほぼすべてのケースを覆うので、この順序では重複期間分は差し引かれるものと考えたほうが安全です。「退職金を受け取ってから数年待てば枠が復活する」ということは起きません。
では、どう決めればいい?
順序ルールを踏まえると、判断の出発点は状況ごとに分かれます。下は判断材料であり、特定の受け取り方を推奨するものではありません。実際の金額はご自身の退職金規程と加入記録で試算してください。
| あなたの状況 | 検討の出発点 |
|---|---|
| 会社の退職金がない(自営業・フリーランスなど) | 一時金が選択肢になりやすい。拠出20年なら控除額800万円(前年以前19年内に退職手当等がなく、小規模企業共済の共済金など他のみなし退職手当等もない場合) |
| 退職金があり、退職金+iDeCoが控除枠に収まる | 一時金でまとめる。給付手数料も440円1回で済みます |
| 退職金があり、合計が控除枠を超える | 併用。枠に収まる分を一時金、超える分を年金に回して公的年金等控除を使います(併用の可否は運営管理機関次第) |
| 60歳から公的年金開始まで収入の谷がある | その期間を年金受け取りに充てる。公的年金と合算されないので、公的年金等控除の枠を単独で使えます |
| 退職金を60歳などで受け取り済み | iDeCo一時金は前年以前19年内に当たるため、重複分は差し引かれる前提で。年金受け取りを軸に検討します |
拠出している間の節税額は別記事で試算しています。あわせてiDeCoの所得控除で実際いくら戻る?会社員の年間節税額を試算もご覧ください。固定費から順に手をつける全体設計は資産形成ロードマップにまとめてあります。
どこで口座を開くか
出口の話をしたうえで、入口についても一点だけ。iDeCoの手数料のうち金融機関によって差がつくのは運営管理手数料だけで、国民年金基金連合会(掛金納付の都度105円。毎月拠出なら月105円相当)と信託銀行(66円/月)に払う分は各社共通です。加入時2,829円、給付事務手数料440円/回、還付手数料も同様に共通です。松井証券は運営管理手数料が残高や取引条件なしで0円なので、拠出中の月額は171円、運用指図者になったあとは66円で済みます(2026年9月時点)。
なお国民年金基金連合会の加入者手数料は、2027年1月26日の口座引落し分の掛金から「拠出時105円」が「月額120円」に改定されます。改定後の拠出中の月額は186円(120円+66円)になります。
運営管理手数料0円でiDeCoを始める
手数料と商品ラインナップ、そして受け取り方の選択肢を確認したうえで、ご自身の判断でお申し込みください。
運営管理手数料が条件なしで0円。eMAXIS Slimシリーズを含む低コストのインデックスファンドを取り扱っています。
松井証券でiDeCoの資料請求をする ➔出典
- 国税庁「No.2732 退職手当等に対する源泉徴収」— 前年以前19年内/前年以前9年内の適用関係、「退職所得の受給に関する申告書」の未提出時に20.42%が源泉徴収されること
- 国税庁「No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき」— 重複期間に基づく控除額の調整、重複期間の端数切り捨て
- 国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」— 退職所得の計算式、退職所得控除額、短期退職手当等・特定役員退職手当等の取扱い
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」— 公的年金等の課税関係
- 国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし」(税制改正等の内容 / 第3 退職所得 / 第4 公的年金等)— 4年内から9年内への改正、みなし退職手当等(所令72③七)と勤続年数(所令69①二)の根拠条項、公的年金等の範囲に確定拠出年金の年金が含まれること、公的年金等控除額の速算表
- 財務省「令和7年度税制改正の大綱」(PDF)— 改正の適用時期(令和8年1月1日以後に老齢一時金の支払を受けている場合であって、同日以後に支払を受けるべき退職手当等について適用)
- 国税庁 質疑応答事例「退職手当等とみなされる一時金につき、支払額の計算の基礎とならない制度加入期間がある場合の勤続年数」— 支払額の計算の基礎とならない期間は勤続年数に含めないこと
- 国税庁「A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)」
- iDeCo公式(国民年金基金連合会)「iDeCoのしくみ」— 受給開始時期、通算加入者等期間と受給開始年齢、年金の受給期間
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」— 1か月0.7%、75歳で84%の増額(昭和27年4月2日以後生まれ)
- 手数料:松井証券「iDeCo 手数料」、三菱UFJ銀行「iDeCoの手数料」、マネックス証券「iDeCoの各種手数料」(3社で一致を確認)
- 損保ジャパンDC証券「iDeCo加入者に係る国民年金基金連合会手数料の一部見直しについて」(2026年7月29日・PDF)— 2027年1月26日の口座引落し分から拠出時105円が月額120円へ改定
- 宍粟市「国保税の計算対象となる所得等」、墨田区「国民健康保険料の計算」— 退職所得が所得割の算定に含まれないこと、公的年金等の雑所得が含まれること
最終確認日:2026年9月10日
よくある質問
Q. iDeCoは一時金と年金、どちらが得ですか?
会社の退職金の額と受け取る時期で変わります。退職金とiDeCoの一時金の合計が退職所得控除の枠に収まるなら一時金が選ばれやすく、給付事務手数料も440円が1回で済みます。枠を超える場合は、超える分を年金受け取りに回して公的年金等控除を使う併用が選択肢になります(併用の可否は運営管理機関によります)。会社の退職金がない自営業・フリーランスは、一時金で控除枠を単独で使えます。
Q. 「iDeCoを先に受け取って5年空ければ大丈夫」と聞きましたが、今も有効ですか?
いつiDeCoの一時金を受け取ったかで変わります。令和7年(2025年)12月31日までに受け取り済みなら、従来どおり「前年以前4年内」で判定され、5年空ければ調整の対象外です。令和8年(2026年)1月1日以後に受け取る場合は「前年以前9年内」となり、10年空ける必要があります。この改正は、iDeCoの老齢一時金とその後の退職手当等がいずれも令和8年1月1日以後に支払を受けるものについて適用されます(国税庁 No.2732、財務省「令和7年度税制改正の大綱」)。
Q. 会社の退職金を先に受け取った場合はどうなりますか?
前年以前19年内に受け取った退職手当等が調整の対象です。この19年という期間は令和7年度税制改正でも変わっていません。19年は現実的にほぼすべてのケースを覆うため、退職金を受け取った後にiDeCoを一時金で受け取る場合、重複期間分は控除枠から差し引かれる前提で試算したほうが安全です。
Q. iDeCoの一時金の退職所得控除額はいくらですか?
掛金を拠出した期間が20年以下なら40万円×年数(80万円に満たない場合は80万円)、20年超なら800万円+70万円×(年数−20年)です。20年拠出なら800万円になります。iDeCoで勤続年数として数えるのは掛金を拠出した期間で、掛金を出さずに運用だけしていた運用指図者の期間は含まれません(国税庁 No.1420、国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし」所得税法施行令第69条第1項第2号)。
Q. 退職所得控除を使うために必要な手続きはありますか?
「退職所得の受給に関する申告書」を支払者に提出してください。提出しないと退職所得控除が適用されず、収入金額に一律20.42%が源泉徴収されます(確定申告で精算はできます)。会社の退職金とiDeCoの一時金は支払者が別なので、それぞれに提出が必要です(国税庁 No.2732)。
Q. 年金で受け取ると社会保険料は増えますか?
公的年金等の雑所得は、国民健康保険料(税)の所得割を計算するときの所得に含まれます。一方、一時金で受け取った退職所得は算定に含まれません。年金受け取りは税金だけでなく保険料も押し上げる可能性があります。算定方法は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体の公表資料で確認してください。
Q. 60歳になったらすぐ受け取らないといけませんか?
いいえ。受け取りを始める時期は60歳到達後から75歳になるまでの間で選べます。ただし60歳から受け取れるのは通算加入者等期間が10年以上ある場合で、10年未満だと受給開始年齢が61歳から65歳まで繰り下がります。受け取りを待つ間も口座管理手数料(信託銀行分 月66円)はかかります。


